OPTIC MAGNETISM - ALL WHITE DRESSING BY ASHLEY OGAWA CLARKE

少なくとも実用的な面でいうと"白"を身に纏うことは勇気のある行動と言えます。

実際に、カベルネソーヴィニヨンの赤ワインを一滴もこぼさずに一日過ごすことが出来るというならば、”白”は他の色と比べて無敵です。それは何の努力をせずとも魅力的で、洗練されています。白いTシャツ、コートやパンツを着用してラグビーの試合を観に行くことは好ましくないし、夜にクラブで踊りたいという衝動にかられることもありません。とはいえ、”白”には瞬く間に装いを整える力があります。

時に”白”は黒と同様に長い寿命を持っていると言えます。それらはめまぐるしく変遷するファッションのトレンドというものに屈しません。一方で、アイボリー、エクリューやクリームからは現代的な流行りを感じます。それは黒ほど陰鬱でもなければネイビーほど控えめでもありません。代わりに、そのちょうど良い色味は私を快適な気分にします。

”白”はあらゆる文化的象徴にも関わりを持ちます。初雪や、ウエディングドレス、科学者たちの白衣に宇宙飛行士の宇宙服を連想させます。また、仏教における”白”は、純度や知性を表しており、伝統的な仏教の葬式では、故人の家族は尊敬と悲しみの象徴として白い服を身に着けます。

アメリカのモダニスト、ジョージア・オキーフは、黒い服を着ないとき、決まって真っ白なシルクのドレスやチュニックを着ていました。黒澤明の1947年の映画「醉いどれ天使」で、血気盛んな青年である松永を演じた三船敏郎は、劇中で非常に美しい白いスーツを着用していました。

"White is incredibly easy to wear (and look good in), appropriate in the heat and the cold."

だからといって、映画スターや宇宙飛行士のように輝かしくある必要も引け目を感じる必要はありません。それどころか、日常のケアの手間を克服することさえできれば、”白”は非常に着やすく、生活に快適さをもたらします。

読者の多くは、スタジオニコルソンが白い服を作ることにいかに長けているかをすでに御理解いただけたでしょう。黒とネイビーとともにブランドを確立する三位一体を完成させるために白は一役買っているのです。では、どこから白を取り入れるべきなのか?オールホワイトのスタイリングにアプローチするシンプルで効果的な方法は、デニムから始めることです。従来のダブルデニムのスタイリングは個性やスタイリッシュさを感じさせてくれます。一方で、ダブルホワイトデニムは、少しのエッジと上品さをもつ、まるでテキサスタキシードのようなワンランク上の印象を与えてくれます。

たとえば、スタジオニコルソンのLazar Denim Jacketは、黒またはネイビーのスラックスと一緒に安定した着用が出来ますが、Bill Denim Pantの白いジーンズとの合わせは、よりスマートさを演出します。さらに異なる観点でいうと、スタジオニコルソンを象徴するワイドなシルエットのトラウザーであるPuch Denim Pantとのオールホワイトのセットアップは、何とも言えないほど魅力的です。

プレーンな白のTシャツにメリノウールやレザーのベストを重ねるレイヤリングのように異なる素材やトーンを組み合わせてモノトーンのスタイルに挑戦してみてください。スタジオニコルソンのBure Knitは、中厚のオーガニックコットンから作られた特大のケーブルニットセーターで、暖かく触り心地もとても良いです。年月を超えてニコルソンのワードローブにおいて定番となる商品と言えます。クリームがほどよくくすんだような色であるウォーターのBridge pantとの組み合わせは間違いありません。

真っ白な服を着用する魅力は、洗練されていながらも巧妙に見えるところです。

この機会にさまざまなスタイリングを試してみてください。

静かな自信!控えめな魅力!白い服は、言葉では表現しえないような要素で成り立っています。